辞令交付式

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 結衣たちは施設に着いた。講堂で式が行われる。  講堂には配属校ごとに席が決まっていた。 「あ…大ちゃんの学校と席隣同士だね」 「隣の学校だからかな」  講堂の入口に貼ってあった座席表を二人で見ていると「おはよう」と後ろで声がした。  振り返ると結衣と同じ学校に配属された、もう一人の同期白石真(しらいしまこと)が立っていた。 「あ、白石先生、おはようございます…」  結衣は挨拶をした。  大輔も真を見て戸惑ったように「おはようございます」と呟いた。 「大ちゃん、彼は同じ学校の先生なの」  結衣は大輔に真を紹介した。 「あ、俺、□◯小の長谷川です」 「どうも白石です」  真も大輔に挨拶を返した。 「えっと、長谷川先生は私の知り合いで…」 「そうなんだ」真が言った。  その時また「おはよう」と声がした。  声がした方を見ると一人の女性が立っていた。 「あ、おはよう」  大輔が声を掛けた。 「えっと、彼女は俺と同じ学校の先生」  今度は大輔が結衣たちに説明した。 「黛夏希(まゆずみなつき)です」  女性は少し笑顔で言った。 「◯△小の北川です」  綺麗な人だなと思いながら結衣は挨拶をした。 「◯△小なら、隣の小学校ね。長谷川先生の知り合いなの?」 「はい」 「ふーん…」  夏希はジロジロと結衣を見た。    え?何?  結衣は面食らった。 「とりあえず中に入るか」  大輔が三人に声を掛けて、講堂の中に入った。
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