108人が本棚に入れています
本棚に追加
結衣たちは施設に着いた。講堂で式が行われる。
講堂には配属校ごとに席が決まっていた。
「あ…大ちゃんの学校と席隣同士だね」
「隣の学校だからかな」
講堂の入口に貼ってあった座席表を二人で見ていると「おはよう」と後ろで声がした。
振り返ると結衣と同じ学校に配属された、もう一人の同期白石真が立っていた。
「あ、白石先生、おはようございます…」
結衣は挨拶をした。
大輔も真を見て戸惑ったように「おはようございます」と呟いた。
「大ちゃん、彼は同じ学校の先生なの」
結衣は大輔に真を紹介した。
「あ、俺、□◯小の長谷川です」
「どうも白石です」
真も大輔に挨拶を返した。
「えっと、長谷川先生は私の知り合いで…」
「そうなんだ」真が言った。
その時また「おはよう」と声がした。
声がした方を見ると一人の女性が立っていた。
「あ、おはよう」
大輔が声を掛けた。
「えっと、彼女は俺と同じ学校の先生」
今度は大輔が結衣たちに説明した。
「黛夏希です」
女性は少し笑顔で言った。
「◯△小の北川です」
綺麗な人だなと思いながら結衣は挨拶をした。
「◯△小なら、隣の小学校ね。長谷川先生の知り合いなの?」
「はい」
「ふーん…」
夏希はジロジロと結衣を見た。
え?何?
結衣は面食らった。
「とりあえず中に入るか」
大輔が三人に声を掛けて、講堂の中に入った。
最初のコメントを投稿しよう!