幻の人生ゲーム

憂鬱なスタート

　〈地獄の迷宮〉

　目覚めた僕の視界に、うんざりとする見慣れた文字が浮かび上がってきた。

　ああ、とても憂鬱だ。

　今日も、いつもの様に朝が来てしまった。

　この目障りなタイトル画面が、二度と表示されませんように。

　僕のそんなささやかな願いを、神は聞き入れてはくれない。

　なので仕方なく、僕は「スタート」の文字に触れた。

　地獄の一日の幕開けだ――