ロスチングロマンス

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結々ヶ原雄輝。私の幼馴染であり、異世界の住人だ。彼は彼女であり、しかし…ほぼほぼ彼であった。「解剖学上、肉体が男性であれば、つまり女らしく接せるよな。空輝…。」私達はまた時空の狭間に来ていた。もう二度、木橋喜太郎には出会いたくないからだ。半永久的に存在する木橋喜太郎の残留思念は国に報われていた。「死に対する悼み…。私はもっともっと哀しいんだ。」緑色に煌めく時空の狭間。薄かれ濃かれ、時空の狭間は一定している。その様に煌めくのが時空の狭間なのだ。「あっははっ!空輝…この青々とした時空の狭間を前にそう思う限りは、人の死に興味はないな。」微かに笑んでいた雄輝は事実上、女性ではあるが、私自身それを認め切れずにいるのだった。
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