濡れた人斬り

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最後の一人を斬り伏せ、相手がもう起き上がってこないことを確認すると、刀を地面に突き立てると共にその場に膝から崩れ落ちてしまった。先程変な薬を飲まされてからずっと身体の火照りが治まらない。 「はぁ……っ…… はぁ……っ」 息も荒く、身体中汗まみれで、股間にはじっとりとした湿り気を感じる。今俺が始末したこいつらは夜盗で、人買いでもある。おそらく俺が飲まされたのは媚薬で、きっと買った女子供達にも同じようなことをしていたのだろう。 「くっそ……」 悪態ついたところでそれに応える奴は誰もいない。今ここにいるのは俺一人と夜盗共の死体だけ。外にいた見張りも全て斬り殺したし、おそらく殲滅できただろう。もうここに用はない。とりあえず移動しないと。そう思って立ち上がろうとした瞬間だった。 「んぅ……」 突然全身に電流が流れたような感覚に襲われて、口から情けない声を出してしまう。先程こいつらに羽交い締めにされて弄ばれた乳首が着物に擦れただけで、ビクンッと身体が跳ね上がる。 「あぁっ」 ダメだ。このままじゃ動けない。どうにかしてこの熱を治めないと……。 俺は再びその場にへたり込み壁に背中を凭れさせる。そして自身の胸元に手を伸ばし、着物の上から指先でその突起に触れてみると、またあの刺激的な快感に襲われる。今度は少し強めに押し潰すようにすると、さらに強い快楽が走る。 「ふっ……ぁ」 先程こいつらの汚ねぇ指で弄ばれたせいで、感度が増しているようだ。軽く触れただけでもこんなに感じてしまうとは……。だがどんどん身体は昂ぶっていき、下半身の方にまで影響が出始める。 「はぁ……っくそがぁ………っ」 必死に理性を保ちながらも、ゆっくりと手を下腹部へと伸ばしていく。そして袴越しに勃起しかけている自分の陰茎に触れると、それだけで頭が真っ白になりそうなほど気持ち良かった。 「っふ……んぁ…あぁっ」 そのまま夢中で手を袴の脇あきに差し込んで直接陰茎を握る。上下に激しく扱き上げる度に、今まで経験したことの無い程の強烈な快楽が押し寄せてくる。あまりの気持ち良さにすぐにでも達してしまいそうになるが、なんとか堪える。 周囲に夜盗共の骸がある状態で絶頂を迎えるなど絶対に嫌だ。そんなことになれば確実に屈辱でしかない。 そう思っているはずなのに、一度動き出した手を止めることが出来ない。右手で陰茎を扱いたまま左手で着物の前を開き、既に硬くなっている乳首を摘んでみる。するとこれまで以上の快感に襲われた。 「ぐぅ……!ん…っ」 一瞬にして限界を迎えてしまいそうになる。 「ぁ……いやだ……いや…っぁ」 腰の辺りにポタリと水滴が落ちる。情けないことに口から涎まで垂れてしまっていた。それを拭うこともせず、ただひたすらに快楽を求める獣のように、無我夢中で自慰を続ける。 思わずイきそうになる。イきたくない。けど早く楽になりたい。 「んぁっ!!ぃゃ…だ…イく……!!」 ドピュッという音と共に勢いよく射精する。袴が精液によって汚れるのがわかる。手もぐちゅぐちゅだ。 「はぁ……っ…はぁ……っ」 しばらく呆然としながら荒くなった呼吸を整える。やがて落ち着いてくると、今度は猛烈な羞恥心に襲われる。誰もいないことが救いだが、あろうことか大量の死体に囲まれながら自慰をする羽目になり、情けなくも果ててしまうとは。 「クソ野郎がぁ……」 最悪すぎる状況に何度目かの悪態をつくしかなかった。汗と体液と返り血に染まり乱れた着物姿のまま立ち上がり地面に突き立ててあった刀を抜く。 そして俺に媚薬を飲ませた男の屍の前に行き、その首を一気に斬り落とした。
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