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――にゃあ。
あれ? ここは、どこだろう?
目の前が緑色。見上げれば……木漏れ日がキラキラ、その遥か先に満開のひまわりが見える。
「おや? 君、迷子かい?」
振り向くと、縁側の少し奥に抹茶色の作務衣が見える。急いで駆け寄るも、縁側の先には入れない。
「ごめん、これ以上は出られないんだ」
ヘーゼルの瞳を悲し気に細め、その人は微笑んだ。
「綺麗な黒毛だなぁ。俺の大切な人にちょっと似てるね、君」
【了】
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