消費者金融編

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消費者金融編

 奈々子は離婚後、前の職場を、離婚したとか、社則が出ていないと文句を言ったとか言う理由でクビになり、再就職先を探していた。  職安にも通い、休職手当ももらっている。  奈々子は職安でも仕事を探していたが、うつ病という事もあり、あまり通勤が遠いところとか、人と関わらなければいけない仕事は避けたかった。  後、前職の様に家族経営の会社は会社のルールは無いようなものなので、ある程度、規模の大きな会社が望ましかった。  そんな時、郵便ポストに入ってきたチラシに目が留まった。 「コールセンターの初期メンバー。全員が一緒に働き始めます。」  年齢や学歴条件は高卒以上とだけ。詳しい仕事内容も書いてはいなかったが、全員が初めてで、研修も3か月もあるという。  仕事は派遣会社との契約で、研修中は9時~5時。給料は奈々子が驚くほど高かった。  休日も土日休日だった。  コールセンターは初めてだったが、奈々子の実家は店を経営していたので電話での対応は小さい頃から親に厳しく教えられていた。  それに、電話が相手だったら直接相手と顔を合わせるわけでもない。  後、勤務時間が固定のシフトだったのも魅力だった。  8時~17時のシフトと11時~20時の二種類のシフトが選べる。  ただ、これは人数が偏っていれば、抽選となるということだった。  場所も大事である。しかし、それもなんと、奈々子の住んでいる所から徒歩圏内だった。  特に最初の3か月の研修はその時住んでいたアパートから徒歩5分の場所だった。  実際の勤務をするビルはその時はコールセンター用に改修工事中という事だが、そちらも徒歩15分圏内だった。  これだけの好条件はなかなかない。  とにかく最初の面接の為に履歴書をもって面接会場である隣の駅に向かった。  大きな会場で最初の説明を受けてから、シフト別に面接に移ると言う。  まぁ、若い人の多い事。奈々子はちょっと気後れした。  自分の息子たちより若い人たちの方が多いだろう。服装もまちまちで、面接というのに、スーツでもない。  スーツで来ていた奈々子はちょっと浮いた感じになっていた。  だがまぁ、来てしまったのでとにかく面接に向けて、会場に入っていった。
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