Ⅷ 過去と、現在

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一生分の勇気と気力を 使ったのか 部屋に入った瞬間 倒れ込むように 座り込んでしまった 足が震えていた お母さんに 思っている事を 言ってしまった―― 少しは、何か 変わるだろうか? だけど、あまり期待は しないでおこう 少なくとも、今は 言えただけで満足だ 父親が何を していたのかは 私は完璧に 把握している訳ではない 誰にも聞けないし 私だって 知りたくないから 詳しく知ろうとしない だけど、 全く知らない訳では ないから 今も辛いのだと思う この世の中 情報は溢れている 今から10年前に それは始まって いたのだろう 『俺、会社辞めたっ! 大学時代のツレと 一緒に会社を 作る事になった』 父親の突然とも言える その一言が 全ての始まりだった 私は当時まだ 小学校に上がったばかりで 父親のその言葉の 重大さすらも あまり理解出来なかったし そんな父親を 必死で止めていた 母親の事も あまり覚えていない
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