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そらさんへ
僕は今、あなたからのメッセージをしっかりと受け取りました。
世界はうつくしい。
本当にそうですね。僕も強く、そう思います。
世界はあなたの言う通り本当にうつくしいのだけれど、今の僕にはその確信が少し薄れてしまっているように感じます。
胸を張ってうつくしいと言えない自分が、少しだけ悲しいです。
人と人が戦うなんてどうかしている。
あなたもおかしいと思いませんか。
人はみんな、誰かを笑顔にするために生まれてきたんです。
人を傷つけたり、名前も知らない誰かを殺すために生まれてきたんじゃない。
これはもしかしたら、綺麗事なのかもしれません。
それでも僕は、僕の信じることを、死ぬまで信じて生きていきたい。
あなたはどう思いますか、そらさん。
僕はもうすぐ、人を殺しに行かなければいけないようです。
僕が嫌だといくら拒んだとしても、僕の周りの世界はそれを認めてくれてはくれません。
世界はうつくしい。
世界はうつくしいけれど、人はあまりうつくしくないなぁ。
少しだけ、そう感じてしまう時があるのです。
もしかしたら、これが僕の最後になるのかもしれない。
そらさん、どうかあなたの元に、この手紙が届くことを願っています。
僕はあなたの顔も知らないけれど、あなたのことを大切に思っています。
世界のうつくしさを知っている、あなたを。
もしかしたら、もうすぐうつくしい世界は壊れてしまうのかもしれません。
人と人との、諍いによって。
デイジーの花、とっても綺麗でしたね。
どうかあなただけでもご無事で、そらさん。
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