どこかの誰かへ

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どこかの誰かへ

届くはずのない、送るあてもない手紙を書いています。 私の建てた小さくて静かな居場所は、もう跡形もなく消え去ってしまいました。 今風船を飛ばしたって、あなたの元に届くことはないでしょう。 人間は、なんということを他の人に対してやっているのでしょうか。 十歳の子供でも分かることを、なぜ大人が理解できないのでしょうか。 全てのことを破壊してまで、自分の地位が大切なのでしょうか。 他の人を傷つけて、自分の守りたいものは守れるのでしょうか。 痛くて苦しくて仕方がないのです。 世界はうつくしいのに。 うつくしさが失われてゆく世界を、もう私は見たくありません。 なぜ明るい方向へと持っていくことができないのでしょうか。 明るい未来のためにすることは明るいことではないのでしょうか。 悪の心から生まれるものは、暗く悲しいものだけです。 お願い、誰かそれを分かって。 あなたのような世界のうつくしさを知っている人が増えることを願って、今星を眺めています。 こんなことがあっても、今見上げる星は綺麗なんです。 まだ間に合うはずです。 もし星さえも見えない世界になったら私は、この世にいる意味がありません。 人間の心の中には、きっとうつくしい花の種が蒔かれているのです、生まれた時から。 うつくしいこの世界の雨を浴びれば、きっと誰しもが綺麗な蕾を、花開かせることができるはずなのです。私はそう信じています。 そらより
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