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「同好会か…」
放課後、渋る石川をバスケ部に放り込み、ヨッシーと共に「オカルト研究同好会」なる部室へと共に足を運んでいた。
「や、やっぱりやだよね。同好会だし、オカルトだし…幸くんオカルト嫌いなのに…」
「いや、占いが特別嫌いなだけで、幽霊だとかUFOの類にはそこまで拒否反応はでないな…信じてはないけど」
「幸くんは占いに恨みでもあるの…?そして幽霊信じてないんだね…」
「まぁ、それなりに。信じてないのはごめん」
オカルト研究同好会。
この響きに戸惑うことは多々あるが、俺の最大の懸念点はそこではない
「ヨッシー、このオカルト研究同好会の部活見学で星野と会ったんだよね?」
「あ、うん。そうだよ」
「じゃあ!体験入部したらあいついるかもじゃん!!」
そう。そこである。
星野…結局午後の授業まで本当にしつこく、結局奴に俺の星座と血液型を知られるハメになった(詳しい生年月日は死守した)
星座と血液型を教えた後は、大人しくなったが、
隣の席で意気揚々と紙になにかを書き込んでいて、たまに視線をこっちにチラチラ寄越してくるのが非常にうざかった。こっちみんな。
全く星座と血液型なんて、大多数の人間が同じものを知ってなんになるというんだか。
「だ、大丈夫だよ!星野くん別の部活にすごく誘われてて、そっちに行きそうな感じだったから!」
「別の部活〜〜?」
「そ、そう。美術部」
「美術部?あいつ絵描くの?」
「みたいだね。噂だと色々賞とか獲ってて、親も画家なんだって」
「へ、へぇ」
「どうしたの?」
「いや、なんか意外というか、あいつみたいなイケメンは運動部でブイブイいわせてそうだったから…占いといい結構インドアなんだな〜って」
「あはは、そうだね。でもウチの美術部は実力主義で厳しいみたいだから誘われるのはすごいんじゃないかな」
「へぇ〜」
なんか似合ってるような…意外なような。
あいつが絵を描くなんて変な感じだな。
なんでだろ。どうでもいいけど。
「ところで幸くん」
「なに?」
「星野くんのことイケメンって思ってるんだね」
「…ッ顔!だけ!な!」
なにやらヨッシーがニコニコして、「え〜」なんて言っているので、俺は急いでそのオカルト研究同好会の部室に向かうことにした。
「ほらヨッシー、早く行こう!」
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