呪われた花嫁 3

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 やがて年頃になると、村の誰もが予想していた通り、あまたの縁談が降ってきた。ずいぶん遠くの里からも申し入れがあったらしい。  相手が決まったのは十四のとき。村一番の豪農で、十八になる跡取り息子だ。可愛い娘を嫁にやるなら、せめて近くに留めておきたい。そんな親心が決め手になった。  ひな自身は夫婦がどんなものか、まだよくわかっていなかったが、きれいな花嫁衣装をあつらえたり、大勢の人が祝いに来たりするので、どうやらとてもよいことらしいと一人で納得していた。村人たちも、ひなが故郷に留まることを喜んだ。よい顔をしなかったのは幼馴染の平太だけだ。 「あすこの息子は性悪だ。今まで何人も村娘に手をつけているし、下男の扱いもひどい。あんなとこへ嫁に行ったら、きっと大変な目に遭うぞ」  だから行くな、と平太はぶっきらぼうに言った。  ひなはそんな幼馴染を見てころころ笑う。 「平太ったら、私がお嫁に行くのがさびしいんでしょう」  すると「違やい!」と叫んで行ってしまう。その後ろ姿がなんだかくすぐったくて、ひなはまたころころと笑った。  けれども。  縁談は、突然白紙になった。
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