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「えっ、嘘でしょ!」
夕食後、いつものようにツイッタを開き佐川彰子は呆然とスマートフォンを見つめた。あまりのことに頭が真っ白になり、じゅくじゅくと手汗が沸いてくる。
一人暮らしの誰もいない部屋。ビール片手にツイッタでも見ようと思っていたのに、もうビールを飲む気にはなれなかった。
唯一の楽しみ、唯一の繋がり。彰子にとってツイッタはライフラインそのものだ。仕事は近所のスーパーでレジ打ちをしているが、友人と呼べる同僚はひとりもいない。それに仕事だって最近では、アンドロイドに乗っ取られている。
何年か前からセルフレジの導入を試みてはいるのだが、やはりお年寄りは機械に弱い。だから、彰子の仕事はなくならなかった。それにほっとしたのも束の間。人件費削減のためにアンドロイドを導入し、彰子たち『人間』はセルフレジの監視、そして、アンドロイドが彰子たちが立っていたレジへと立つようになったのだ。
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