3・脱出

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「弾倉、弾丸関係はこのプラボックスに詰めて運んでくれ。グレネードは分けて別のボックスに入れてくれよ」 「グレネードって?」 「あ、手榴弾(てりゅうだん)ね、手榴弾」 「あぁ」 「手榴弾も種類があるからね」  菅原の指示に従って淡々と搬出作業を進める。 「こんなん要る? 撃てへんで、こんなの」  近藤が持ち上げたのはロケットランチャーだった。 「スゴイなそれ、バズーカだ。やっぱ重い?」  拓海が近寄ってそれに触れる。 8e6fbce8-5f0d-4714-a1f9-a3edf8551b7a 「110㎜個人携帯対戦車弾だ。英語の略称でLAM(ラム)って呼ぶ。隣にある110㎜ロケット弾を飛ばす。弾頭は何発ある?」 「11本ある。マジにこんなん要る?」  近藤の質問に菅原が誰にでもなく作業をしながら答えた。 「必要な時が来るよ。本当の敵は生身の人間だ。感染者じゃない」 「どういう意味?」  美希は理解できなかったがそれは近藤と拓海も同じであった。 「感染者は車や戦車を運転しない」 「は・・・?」  三人は手を止めて菅原を見た。 「とにかく備えあれば憂いなしだ。さ、どんどん運ぼう」 「菅原さん、ここを出る時はどんなプランなの?」  美希が不安だった事への口火を切る。 「ノープランさ。上で考えよう」 「え? そうなの?」 「そうさ。美希ちゃんに小銃を持たせちゃいけないらしいからプランは白紙に戻った。岡君がその代わりをしてくれるなら話は別だ」 「・・・・・・」  その回答に拓海と美希はお互い顔を見合わせた。
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