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レベル1〜作戦失敗?〜
アレンに視線を向けたのは更紗だけではなく、彼女の周りを囲っている男たちも同様に哀れの目を向けていた。凍るような空気感に堪え切れず、アレンはゲーオタ全開で言い訳をする。
「命の危険を感じたから、絶対に攻撃が当たらないタイプの緊急回避をしちゃったよ……」
未だ恥ずかしさのあまり立ち上がることが出来ず、転んだまま頭を掻くが、羞恥心で体が燃えてなくなりそうだった、いや亡くなった方がましだと思った。そんなアレンに誰よりも先に声を掛けたのは紛れもない更紗だった。
「お怪我はありませんか?すぐにハチミツを使ってグレートな方を調合しますね」
まさに天使!
俺の方に向けて差し伸べてくれる手、それ以上に後光が差しているかのようないたずらな笑みに心を奪われていると、周囲の男どもが俺たちの間を割って入ってくる。正直大きな樽に入った爆弾(G)を爆発させるところだった。
「大丈夫か?いいぞ、俺が起こしてやる」
「安心しろ。落としたものと骨は俺が拾ってやるから」
お前たち絶対に俺への行為ではなく、更紗に対するやさしさアピールだろ。あと、何が骨は拾ってやるだ、俺はまだキャンプ場に返されたわけじゃないぞ!
声に出せない怒りを鎮め、笑顔で拾ってくれたことへのお礼をする。そこでふと我に返り、アレンは心臓を掴まれた感触陥るほど肝を冷やす。
今の俺の行動は俺のゲーム理論に反するが、今回はラッキーかもしれない…………。
そんな自分で反省会をしていると、周りに人がいないことに気づく。何事かと周囲を見渡しても誰もいない静寂。そんな中にキーンコーンカーンコーンと鳴り響く授業開始の合図。
「やばい、もう次の授業始まってんのかよ」
その後アレンは授業時間まるまる廊下に立たされた。
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