14人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「初めまして、死神でーす」
すれ違ったはずの黒いスーツの若いイケメン男性が、そう言って私を引き留めた。
「はい?」
顔はイケメンだけど、なんか雰囲気が怪しい。
「あっぶねー。気づかないですれ違うとこでしたよー」
自称死神さんは私をじっと見る。
その目が怖ッ!
つーか、色んな意味で怖ッ!
「あの、何なんですか?」
白昼堂々、ヤバい人に目を付けられた。
とりあえず、目をそらしておこう。
「だから言いましたよね?死神です」
そうか、死神さんか。
って、なるか!
「あの、私、失礼します」
もう逃げるしかない。
こんな人、怖くて会話にもならん。
私は一気に走り出した。
「待って待って!」
怖い!
怖いってば!
変質者!
お巡りさーん!
私は全力で走る。
でも彼は追いかけて来る。
何で?
何でよー!
私はとにかく交番目指して走った。
最初のコメントを投稿しよう!