チェーンストークスの あえぎ

〇病棟・ナースステーション

前の病院では、手術器械メーカー勤務のイケメンと結婚を前提にお付き合いしていた、と思っていたのだが、そいつがもうとんでもない奴で、自分が担当する各病院で、一人ずつ女を作っていやがった。

そして最後には、こともあろうか私が勤める病院の事務の子、しかも20歳の子！　にまで手を出していた。

浮気をされている三十路の女。

「かわいそうに」
その視線を皆から浴びていることに気が付いた時には、反射的に辞表を出していた。

こうなったら男なんてもうどうだっていい。
看護師としてしっかりと働いて、おひとりさま生活を満喫してやる！　と言いたいところだけれども、まだそうも言いきれない自分がいる。