福子を少女と侮るなかれ

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 室内ではヴィクトルが和也とユージンの顔面を殴り、椅子に座らせてテーブルに置いたアルミケースの鍵を解除しろと、中身の確認を急いでいる。 「Open the case」 (ウクライナの亡霊議員は六桁のキー番号と、時限爆弾のトラップがある事は白状していない。) 「Stop it, Eugene」 「why are you stopping」  和也がユージンの震える指を押さえて、ダイヤル錠を回すのを止めて、ヴィクトルに殴られた和也が室内に侵入した福子の足元に転がる。 「遅いぞ。福子」 「和也。もっと、頑張ろうよ」 「援護を待ってたんだ。拓郎は?」 「ロビーでマッチョガールと戦ってるよ」  福子と和也が話すのをヴィクトルが呆然と眺め、ユージンに再度アルミケースを開けろと命令するが、時限爆弾のトラップがあると和也が教えた。 「If you enter the wrong key number, the time bomb will activate」 「Why are you teaching me?」 「Do not worry. we'll beat him」 「Are you going to fight that girl?」 「ねっ、何揉めてるの?」 「ユージンが機器を爆破しようとし、俺たちがそいつを倒すと止めたら、KGBが少女と戦うのか?と馬鹿にした」 「ふーん、私を舐めてると酷い目にあうわよ」  福子が和也に手を貸して立ち上がらせ、こっちを見て嘲笑っているヴィクトルを睨み、猫足立の構えから截拳道(ジークンドー)の基本的なサウスポーの構えに移行する。
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