プロローグ・ウクライナより愛をこめて

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「なぜ、危険を承知でクレムリンへ行ったのですか?魂が消滅すれば、子孫にまで災いを及ぼすと聞いています」 「それ以上の危機が迫っているからだ。プーチンは核兵器の使用を決定し、その時期は刻々と迫っている。ウクライナ、いや核戦争が勃発すれば世界は破滅の道へ向かうだろう」 「墓場ラジオの放送で、スターリンの亡霊がプーチンを動かしていると聴きました。信じてなかったけど、噂は本当だったのですね」  ユージンは情報局の亡霊DJが「スターリンとプーチンが共謀し、表と裏の世界を支配しようとしている」と、雑音混じりに繰り返していたのを思い起こす。 (スターリンはグルジア生まれのソビエト連邦共産党指導者で、レーニンの右腕として働いていたが、後継者になると反逆者を次々と大量に粛清し、独裁政権を樹立して戦後もソ連と世界の共産主義の支配者として君臨した。)
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