日本への贈り物

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「もしこのミッションがプーチンの暴挙を阻止する事に役立つのでしたら、僕は二度死んでも構わないと思っています」  亡霊議員はユージンの決意を聞き、顔を寄せ合って小声で相談すると、アルミケースを厳重にロックする六桁のダイヤル番号を合わせて解錠し、蓋を全開にしてユージンの方に向けて中の機器を見せた。 「失礼だったのは詫びるが、我々としても君を信頼する時間がなかったのだ。急遽、アンドリー・シェフチェンコから能力のある若者に依頼すると連絡があり、君の経歴は有望なサッカー選手だったとしか知らない」  シェフチェンコはKGBに追跡されている事を察知して、自分の代役となる能力者ユージンを指名したのである、 「これは……」  ユージンはバレル(銃身部)とレシーバー(機関部)に分割してケースに収められた機器を見て絶句し、両眼を輝かせて歩み寄り、暗い室内に響く亡霊議員の声を聴きながら、無機物と有機物の融合した機器を観察した。 「未完成ではあるが、核兵器を無効化する装置だ。日本での亡霊サミットで、プーチン大統領の核兵器使用が議案になり、この機器を本題にして話し合われる。つまり君の任務が、亡霊サミットの成否の鍵を握っているのだよ……」
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