![8948a6f5-ec7b-4bc2-9c60-6082da44439d](https://img.estar.jp/public/user_upload/8948a6f5-ec7b-4bc2-9c60-6082da44439d.png?width=800&format=jpg)
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私は本でしか知らない、レンガで作られた建物がずらりと並ぶ街の上空を飛んでいました。
そろそろここら辺かなと初めての地に私は足をおろしたのです。
にしても……ものすごく見られているような気がします。
「あの、すみません。ここは何という国なのでしょうか?」
私が話かけた若い女性は ビクッと肩を跳ね上げ、ゆっくりと話しました。
「ここはユルク王国よ。それより……貴女は何者?」
「私ですか? ユシェリといいます」
「しょ、職業を聞いてるわ」
「職業ですか?」
魔女は一応職業の一つです。
「なったばかりですが、魔女です」
周りに集まってきていた人々が一瞬沈黙になり、急に騒ぎ出しました。
「本物だ!」
「箒に乗ってたよ!」
「本当に魔女様なんかね?」
「本当だって」
私に聞き取れたのはここまで。
あまりにも声が大きくなるので、今度は私が肩を跳ね上げました。
一体どうしたというのでしょう?
魔女は珍しいのでしょうか。
確かにラヴェリルには魔女がパステルしかいませんけど。
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