episode 1

2/6

10人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「パステル、これは何なのですか?」 「え? あ、いえ、これはただの掃除用の箒ですよ......」 作業机に置いてあった箒は掃除用とは思えないほど、綺麗に飾られていました。 「さ、ラヴェリルの白花を採ってきてちょうだい。今日は......そうね、何を作るのかは内緒にしておきましょう」 「? そうですか。白花ですね、採集してきます!」 。.:;*。 。.:;*。 。.:;*。 こうして、月日が流れていきました。 結局、あのとき作った調合物は何かわからず仕舞いです。 けれど三つの月がここラヴェリルを中心に正三角形に並んだとき、 私はパステルに呼び出されました。 「パステル? えっと、来ました! ユシェリです」 自分の家からパステルの家に来たのですが返事はなく、私は勝手に足を踏み入れました。 いつもの通り床が軋み、私を受け入れてくれました。 奥の方から光が溢れていたので私は急いでそこに向かいます。 そこで私が見たのは、箒に乗っている美しい魔女としてのパステルでした。 パステルは今まで、薬師としてこの家に住んでいましたから、魔女としての姿をみるのは初めてなのです。 「あら、もう来たのね」 そう言うパステルの手には以前も見たことのある、綺麗に飾られた箒だったのです。 「それは......」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加