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「パステル、これは何なのですか?」
「え? あ、いえ、これはただの掃除用の箒ですよ......」
作業机に置いてあった箒は掃除用とは思えないほど、綺麗に飾られていました。
「さ、ラヴェリルの白花を採ってきてちょうだい。今日は......そうね、何を作るのかは内緒にしておきましょう」
「? そうですか。白花ですね、採集してきます!」
。.:;*。 。.:;*。 。.:;*。
こうして、月日が流れていきました。
結局、あのとき作った調合物は何かわからず仕舞いです。
けれど三つの月がここラヴェリルを中心に正三角形に並んだとき、
私はパステルに呼び出されました。
「パステル? えっと、来ました! ユシェリです」
自分の家からパステルの家に来たのですが返事はなく、私は勝手に足を踏み入れました。
いつもの通り床が軋み、私を受け入れてくれました。
奥の方から光が溢れていたので私は急いでそこに向かいます。
そこで私が見たのは、箒に乗っている美しい魔女としてのパステルでした。
パステルは今まで、薬師としてこの家に住んでいましたから、魔女としての姿をみるのは初めてなのです。
「あら、もう来たのね」
そう言うパステルの手には以前も見たことのある、綺麗に飾られた箒だったのです。
「それは......」
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