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「そうよ。あのとき、貴女に見つかってしまった箒よ。受け取って」
パステルは私に空中から箒を投げてきました。
良く物を投げて受け渡しするこの大樹の住民としては全く問題はありませんが。
にしてもこの箒は軽すぎました。
まるで何も持っていないかのようです。
「あの、軽すぎませんか?」
「そう思ったのならいいことだわ。魔女わね、物が自分の魔力と同調すると重さを感じなくなるのよ」
「魔力? 私には魔力がありませんよ」
「そう思ってるのは貴女だけね」
「え?」
たとえ、私に本当に魔力があったとしてもこんなに早く同調するのでしょうか。
パステルはそんな私の心を読み取ったようで答えをすぐにくれました。
「魔女になる素質を持っているのなら一瞬で箒と同調してもおかしくないわ。それより、そこの机に乗っている瓶を持って」
私は薄青の液体の入った液体を見て思い出しました。
これはあの時パステルが内緒だと言った調合物だということを。
「その液体を半分は箒の先についているぶら下がった宝石にかけ、残りの半分は貴女が飲みなさい」
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