10人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「結局は私の願いは貴女に魔女になって欲しいということ。別に絶対ではないわよ。ただ貴女がラヴェリルの外の世界に行きたいと言っていたからね。ラヴェリルの外に行く方法はただひとつ、魔女になることよ。決心したのなら、浮遊の薬をかけて飲みなさい」
そうでした。
ここ、ラヴェリルに生まれたからには外に出られないのです。
ラヴェリルの回りは海で、船はあるものの頼りないのです。
なので、外に出る方法は一つ。
空を飛ぶことをです。
とはいえ、空を飛べるのは鳥と魔女だけ。
鳥にはなることができません。
と考えれば魔女になるしかないのです。
「箒に乗れても魔法は使えませんので魔女にはなれません」
「あら、魔女ってどういう意味か知ってるの? 箒にさえ乗れたら魔女になれるのよ。それに、歴史の魔女も魔女になったあとに魔法を習得するのよ。箒に乗れるのは素質があるということ。ただそれだけね。そして魔女になった者たちは祖国とは違う国へ行って生活しつつ、冒険するのよ」
「冒険者みたいな?」
「大概の魔女は冒険者としては働かない者がほとんどだけどね。冒険したほうが確実に魔法を習得できるわ」
最初のコメントを投稿しよう!