食○村

目が覚めると、見知らぬ天井が目に入った。

「気がつかれましたか？」

声がする方に目を向けると、黒髪の美しい妖艶な娘が微笑んでいた。

「ここ······は？」

私は確か飛行機に乗っていて、急に爆発音が聞こえて······駄目だ。その後の記憶がない。

「あなたは、村の入り口で倒れていたんですよ。」

どうやらこの娘が私を助けてくれたらしい。しかし、他の乗客はどうしたのだろうか？飛行機の機体はどうなったのだろうか？

「私以外に倒れていた人は？」

「あなた以外の人は、見ていません。さ、お腹も空いたでしょう。お食事の用意ができています。」

そう言われると、空腹感を覚えて腹がグゥ～と鳴った。

出された料理は、とても美味だった。特に肉料理は絶品。間違いなく、今まで食べた中で、抜群に旨い肉の正体が知りたくなった。

「これは何の肉ですか？」

「この村でしか捕れない特別な物なんですよ。良かったらこの後、飼育場を見学になられます？」

「是非！」

好奇心に駆られ、即座にそう返事をしていた。