逃げること、進むこと

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逃げること、進むこと

歩いている間には たくさんの幻が あらわれては消え ささやきかけてきます 「真実ハ ココニ アルヨ」 それでわたしはつい立ち止まり 幻に触れてみたくなるのだけれど どんなにじっと見つめても 幻なのか真実なのか さっぱりわからないのです 最後はいつも目をそらし 再び歩き出します 逃げるように 選ぶというよりは 見なかったことにしてしまいたい そんな臆病な人間なのです 進路はできるだけまっすぐに でもまっすぐ歩いている自信なんて 本当はまるでないのです
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