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その翌日、AIはある姿になって科学者の前に現れた。
しかも今度はリビングに設置してあるプロジェクターをハッキングし、マスターの前に自分自身を見せるために立体映像として映し出した。
そして、彼の前に現れたときにはマスターの顔は少しシワが増えていた。
(時間がかかりすぎたのでしょうか)
「おお、懐かしい顔だ」
この時、AIは人間の仕組みについていまいち分かっていなかった。
例え、人間の言葉や調べることはマスターから教えてくれたけど人間については教えてくれなかった。
それがマスターの気遣いなのかそれとも単なる忘れているかもしれない。
「そうか、あの人が亡くなって30年ぶり。私も随分年を取ったのだね」
そういう科学者は何処か他人事のようだった。
まるで自分の運命を知っているかのように……。
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