あるAIの誕生記録

生まれる想い

AIのスキャニングで起きた警告音でマスターが危険な状態か死亡を示していた。
だが、AIの目には無機質に映るもののAIにはなかったものが沸き上がりそうになっていた。
『ミレイは治療の情報を持っていません。ミレイは治療の情報を持っていません。』
そう何度も言葉を発してもそれを答えるものはいなかった。

『ミレイ…は…治療の…情報を持って……いません………』
家にある電気関係は未だ生きているのにミレイAIの声は何処か震えていた。
今、目の前にあるのは何ヵ月も放置されていたせいでマスターの身体は骨をなっていた。
『ミレイ…は……』と声を漏らして、不意にある記述を思い出した。
ミレイの情報を探る際にある単語を思い出した。
それは人の魂を人工的な身体に移すという禁忌な技術だった。
アンドロイドのような生命体であれば人間のように年は取らなくなるけど生きることに関してはずば抜けていた。
それを思い出して、ミレイはすぐに行動を移した。
『マスターの治療は出来ないけどミレイの学習機能を使えば出来るはず。』
そう言って、ミレイはすぐに地下にある研究室に移動した。