二、剣を求めて

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二、剣を求めて

 鬱蒼(うっそう)と茂った山林の中を、少年が歩いていた。  歳の頃は十を超えるか超えないか。幼い顔と小柄な体躯。身に纏う布の服はあちこちが擦り切れている。  草を踏み分け、枝を手斧で切り払い、時折汗を拭いながら少年は歩き続け、ついにたどり着いた。  切り立つ岩肌、そこにぽっかりと口を開けた穴。  少年はもちろん、人間の大人でも楽に入れるほどの大きさ。もしかすれば成体の熊でも潜り込めるかもしれないほどの洞窟があった。  ――目指していたものが本当にあった。少年が安堵の息をつく。  しかし、安堵も束の間。ここからが始まりだ。  ごくりとつばを飲み込んだ少年が、いざ洞窟の中へと入ろうとして―― 「ん、なんだお前?」  青年の声がした。
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