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『メガネ』が答える前に、その言葉を3人ともすぐに理解した。
「そうですかぁ、逝ってしまいましたか〜」
「そう…良かった」
「うん。…でもぉ、何かあったのかい?」
猫を撫でながら『住職』が聞いた。
『メガネ』は事の経緯を話した。
『善治郎』の家に、例のいじめに加担した幼馴染みが来るとのことで「不安だから、一緒に来て欲しい」と頼まれ『メガネ』は彼について行った。
『善治郎』の遺影の前で、彼はわんわんと泣いた。
「ごめん、ごめん」と何度も、祭壇にしがみつくように泣いていた。
すぐ隣りで見ていた『善治郎』は一度だけ、頬を濡らした。
「善治郎くんが彼を許したのかは…分かりません。でも、彼の中で何かが変わったのでしょう」
『善治郎』と最後の挨拶を交わすと、彼は「みなさんにもよろしく…」と言って消えていった。
彼は天国へと無事に旅立てたのだ。
「天国かぁ、なんか逝き方忘れちゃいましたよ…」
上の方を羨むように見つめる『はやぶさ』。
「はやぶささん、好奇心旺盛過ぎるのよ。常に満足しないで、次は? 次は?ってなってるからぁ…」
『はやぶさ』を知り尽くしたような『ロング』が呆れたように言う。
「満足かぁ~。あ! 僕の遺骨を宇宙に飛ばしてもらおうかな?」
「閃いた!」とばかりに手を打つ。
「おぉ! いいねぇ〜! ロマンだねぇ」
『住職』も話に乗ってきた。
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