ある日の深夜2時

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ある日の深夜2時

――ある日の夜。 真っ暗な、灯りのない廃工場に訳アリの3人が集まっていた。 静かに小雨の降る夜だった。 時刻は、深夜2時。 真夏だというのに、どこか寒気がするような空気がそこには漂っていた。 それは雨のせいなのか…。 ただ立ち入りたくはない異様な雰囲気がそこにはあった。 ――ぴちょん。 天井から水滴が落ちる。 「夏ですねぇ」 白いワンピース姿の黒髪の若い女が口を開く。 「最近、暑いですね〜」 古めかしいチェックのシャツを着た40代くらいの男がそれに続く。 「えっ! はやぶささん、暑いの分かるんかい?」 驚き、顔を近づけるのは農作業でもしていたかのような服装の年配の男だ。 「いえ…、言ってみたかっただけです」 残りの二人が「なんだぁ」と笑う。 「いや、でも分かります。言ってみたくなる気持ち…というか、つい口癖で言っちゃう」 黒髪の女が長い髪をくるくるといじりながら、懐かしむように言った。 「ロングさん、まぁ言うて最近だもんね。こっち来たの」 チェックシャツの『はやぶさ』が頷く。 「そうですねぇ、3年…くらいになったのかなぁ? 住職はもう10年くらいになります?」
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