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私は、まだ一度も彼氏がいたことがない高2の女の子。神奈川に住んでいる。
私は神社が大好きでよくお参りに行っている。
季節は春。学校帰りに私はいつもの神社へ来ていた。他に人はなく、厳かな空気を感じながら二礼をして柏手を打ち、祈りを捧げた。
「神様、いつもありがとうございます。どうか運命の人に出逢わせて下さい!」
「……その願い、叶えてあげましょう」
どこからともなく囁くような穏やかで温かみのある声が耳に届く。
「え?今声が?」
私はキョロキョロあたりを見渡す。
――誰もいない。
「ここですよ。上です」
「上?」
私が見上げると神々しく輝く白いカラスがしめ縄の上に止まっていた。
「貴女のその願い叶えましょう」
「カラスが……言葉を喋った……? あなたは……神様?」
「私は神の使い。神の言葉を伝える者」
「神の使い?」
「ええ」
「何故叶えてくれるのですか?」
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