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「君の口から聞きたいな」
「私も……あなたが好きです」
「良かった……」
彼は安心したように笑ってくれる。
「離れるのは寂しいけど、連絡もするから。だから夏休みを楽しみにしていよう?」
「うん、そうだね。離れても繋がってるよね」
そして、あっという間に彼が引っ越す日になり、彼は飛び立って行った。
離れてから私達はほとんど毎日メールをしていた。
『今日ね、私達が出逢った時のおばあちゃんに会ったんだよ』
『へえ……あの時のおばあちゃんだよね?』
『そう! とっても元気そうだったよ。あの時の男の子も元気? って聞かれちゃった』
『そっか。早く夏休みにならないかな』
『夏休みに?』
『うん。夏休みになれば真実に逢えるから』
『そうだね。メールや電話じゃ足りない。早く咲也に逢いたい』
そして夏休み。
私は羽田空港へ来ていた。さすがに夏休みということもあって、人でごった返している。会うのはあの日離れて以来。今日彼は帰ってくる。一週間位いるみたい。その間はホテルに泊まるそう。
「真実!」
「咲也!」
私達はお互いを見つけると走り出した。
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