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「会いたかった!」
咲也は私を力いっぱい抱きしめる。
「私も」
人目もはばからず、しばらくお互いの存在を確認し合いながら、温もりを感じる。咲也はおもむろに上を見上げた。
「あ、白いカラス」
「あ、本当だね」
――あのカラスさんなのかな?
最近は見かけなくなっていた、白いカラスさん。
――もしかしたら見守ってくれてるのかな?
私と彼は会いたいときに会える距離にはいないけど、そんなものは2人で越えていけると信じてる。私達なら大丈夫。何故かそう思えた。
私は密かに心の中で、白いカラスさんにお礼を言った。
“ありがとう”
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