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日本国後方支援医療チームに選ばれた3名の防衛医官(※医師の資格のある自衛官)と実践を積むための医官候補生12名がとある紛争地帯に派遣された。 陸上自衛隊は先発し野戦病院を設置していたが、医療チームは空港から出立後、消息が途絶えていた。その事に気付いたのは野戦病院の到着予定時刻を30分間も過ぎた頃。 ただ遅れているだけであれば連絡が前もって来るはずだが。では何かしらのトラブルが起きたのだろう。連絡が出来ない状況となれば戦闘に巻き込まれたかすでに電話の出来ない生命の危機に陥っているかだ。 上官の元へ一報が入る。 『これはこれは、駒木(こまぎ)大佐殿。わたくし、WE(ワイズマンエージェント)の専属サポーターのアクシスと申します。遠路はるばる連邦国共同後衛ラインまでの遠征ご苦労さまです。今回は我々ワイズマンの呼び掛けにお応えしていただき誠に感謝しております。共同戦線お互いに良い結果を残せるようにあなた方達もご武運を』 戦場に一企業主から通話で世辞を持ってくるなど言語道断だ。 しかも、自らは安全地帯からの通話。 不服だらけの今回の任務に駒木はいらだちを隠しきれないでいた。 「お宅ら今回の任務は初めてなんしたって?まぁ足引っ張んねぇで下せーね。こっちは国家張ってるんで一人の部下も犠牲にしたくないんですわ。あんたら無国籍の寄せ集め集団に何ができるんですかいね?全く、」 『わたくし共はあなた方の行えない事をサポートするように創られた組織であります。お互いの長所を取り合いましょう駒木。例えば医療チームの現在地などの把握など。今お困りでは無いですか?』 「どうゆう事だ!?医療班に何をした!」 『まぁ落ち着いてください駒木。医療チーム15名は無事です。現在赤い旅団支部にて捕らえられているのを超高性能衛生エクリプスワイアーズで捕捉追尾しています。勘違いしないでください。我々ワイズマンとは無関係です。あなた方と敵対するつもりは毛頭ない事を前提で述べていた筈なのです。救助作戦はあなた方には無理なのでこちらで対応させていただきました』 アクシスは続けた。 『我々が力になれることを証明出来るはずです』 「無理だ!信じられるわけが無いっ...!貴君らは、支援員を2人しか送ってきてないだろ!しかも一人は医官。そんな人数で何が出来るってんだ!?」 『たったの2名で制圧が無理?あなた方には無理な事が我々には出来る。その為のワイズマンですから』 ワイズマン社より座標送られてきました!______一人の自衛隊員が丸めた紙を机に広げた。 『ではわたくしもエージェント2名のサポートに入ります。吉報を待っててください』 「失敗したら医官全員死ぬんだぞ。...座標は分かった。勝手に動かれないようにワイズマンエージェント2名を直ちに拘束しろ!」 「彼らは30分も前に野戦病院を出ていきましたよ」 つまり通話の内に作戦を決行するのが狙いだった? やられた。 「第一部隊と第二部隊は俺についてこい。2人を追う!」
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