第15話_事の顛末

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普段はひと一倍合いの手や相槌を入れて聞くタイプなものの、怖いくらい押し黙ったまま聞いていた啓介(ケイスケ)が、静かに口を開く。 「落とし前はつけてくれるんすか?」 「沖本(オキモト)、それは…」 「良くねぇだろ。髙城(お前)だけじゃねぇ、学部1年全体で迷惑被ったんだぞ? それなりの姿勢は示して欲しいじゃねぇか」 …それでも、自分が怪我したことは言わないんだよな、こいつは… そう内で啓介の漢気を評価しつつ、(リョウ)は目線で岬の言及を促す。 (ミサキ)は深く頷きながらも、眉を寄せた。 「ええ。こちらとしても、少しでも佐伯(サエキ)さん自身にも非を認めて欲しかったから…代表の立場から、彼に彼名義で謝罪記事を掲載するよう働きかけたの。…でも、『じゃあサークル辞める』って断られてしまって」 「! 退会しちゃったんですか!?」 目を剥く理学部生たちを前に、岬は沈痛な面持ちを晒す。 「退会した以上、こちらに謝罪記事掲載を強いる権限は無いし、彼も責任放棄したって形になる。…せめて直接会って謝罪して欲しいってだけは伝えたんだけど…期待出来ないかもしれないわ」 「…そうですか…」 「でも、サークルとしての姿勢は正していくつもりよ。個人情報を上げてしまったことについての謝罪記事は、私の名前で近日中に臨時発行します。前回発行分は、既に全て回収済みだし、WEB記事も下げておきました」 「…」 「話し合いの場を設けてサークルをもう一度ひとつにまとめて、発行に至るまでのチェック体制も見直して、再発防止にも努めます。…ごめんなさい、組織としてはこれくらいしか出来ないわ」 力を込めて言うものの最後は尻すぼまり気味になり、岬は最後に個人的な思いを口にした。 「…広がってしまった分は取り返しがつかない。謝罪して済む問題じゃないことは十分解ってるつもりです。今後も不都合が起きるようなら、私は代表としての立場でも、個人的にでも、いつでも全面的に協力させて貰います」
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