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媚薬を作ったはいいけれど
「聞きなさい、勇者一同!」
どどーん!と胸を張って言うのは女勇者。彼女の手には、フラスコのようなものに入ったドス黒い液体がある。
「魔王を倒すため、ついに完成させたわ!これぞ必殺、媚薬作戦よ!」
「び、びやく?」
男勇者の一人である僕は思わずオウム返しで尋ねる。すると彼女はイエス!と親指を立てて笑ってみせた。
「今現在、勇者軍は魔王軍に押されているわ。早く魔王軍を倒さないと、私たちはクソ女神に元の世界に返してもらえない!この、コンビニもネットもないつまんない異世界で一生過ごさなくちゃいけない!そんなの絶対嫌でしょ!?」
「今しれっとクソ女神とか言ったな?」
「確かにこの世界はアニメもラノベもなくてつまらんけど」
「そこ煩い!……とにかく、一刻も早く魔王を倒すため、私が魔女のみんなと共同開発したのがこれ!魔女の媚薬!これを飲ませれば、魔王は勇者にメロメロ!無効化させることが可能というわけ!」
「おおおおおおお!それは凄い!」
勇者一同から拍手が沸き起こった。女勇者は嬉しそうにドヤ顔をしている。
だが。
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