silk

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 その夜、私はなかなか寝付けなかった。佐野さんに想いを打ち明けられた時は、ただただ戸惑いが大きかったけれど、今、私の心を満たしているのは、正体不明の熱い感情だ。  何度も寝返りを打ちながら思い出すこと。早瀬さんの凛々しい眼差し。涼やかな声。私の身体にそっと触れる、あのほっそりとした綺麗な手。
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