四竜の集結

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***    二体の竜が沈んだ場所の真上まで飛んできたウィンドルは、海に向けて大きく羽ばたき続けた。すると海面がへこみ、やがて海底が見えるほどに海水が周囲に押しやられた。  海底でとぐろを巻いていたラミウスと、その中央に座り込むガルディクスが露わになる。炎の消えたガルディクスは翼の生えたツノトカゲのようで、寒さに震えていた。  ラミウスが頭をもたげてウィンドルを睨む。 「何の用ですか」 「うん、もう、そのくらいにしてあげてもいいんじゃないかと思うんだよ」 「まだガルディクスの降参を聞いていません」 「そうなの? もう暴れる元気なんてないよね、ガル?」 「ふん……!」    ガルディクスは鼻息を吹いて顔をそらした。ウィンドルがため息をつく。 「せっかく久しぶりに会ったんだから、仲良くやろうよ。ラミは怒ると怖いって分かったでしょ? だからね、早く降参しちゃいなよ」 「……」    なおも黙り続けるガルディクスに、ラミウスはささやいた。 「そのうち体が冷え切って、そこらの岩と同じように動かなくなるのですよ。それでもいいのですか」 「お、俺が動けなくなってもいいって言うのか? 本気じゃないだろう? ラミウス、お前はそんな冷たい竜じゃなかったよな?」 「水温が三度しかない海底に住んでいますから」 「くっ……分かった、分かったよ。降参する。降参すればいいんだろう」    半ばやけになりながらの宣言であったが、ラミウスは巻き付いていた体を緩めた。ガルディクスは翼を動かし、ゆっくりと上昇する。そこへ、別の声が飛んできた。 「みんな、こんなところで何をしているの……?」 「えっ!」    カメレオンに羽が付いた姿のアッディアが、宙に浮きながら不思議そうに三体を見ていた。 「アデ、何でここにいるの?」 「向こうの空からみんなが騒いでいるのが見えてね、何をしているのか気になって、眠れなくなっちゃったんだ。だから、来てみた」 「いけません、ここへ集まったら、大変なことに……!」    ラミウスが言い終えないうちに、四体の竜の体が光り始めた。
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