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二十一段 その1
生ひ先なく、まめやかに、えせざいはひなど見てゐたらむ人は、いぶせく、あなづらはしく思ひやられて、猶(なお)、さりぬべからむ人の女(むすめ)などは、さしまじらはせ、世のありさまも見せならはさまほしう、内侍のすけなどにてしばしもあらせばや、とこそ覚ゆれ
宮仕へする人をば、あはあはしう、わろきことに、言ひ思ひたる男などこそ、いとにくけれ
げに、そも、またさる事ぞかし
かけまくも畏き御前をはじめ奉りて、上達部、殿上人、五位、四位は更にも言はず、見ぬ人はすくなくこそあらめ
現代語
将来に希望など持たず、ただ生真面目に結婚して、見せかけだけの幸せを感じていたい女性って鬱陶しくて、なんか軽蔑しちゃうのよね
よき妻として家にこもって、自分は何がしたいか、何が出来るか考えもしない
やっぱりそれなりの身分の家の娘なんかは、宮仕えなどさせて世間のことを学ばせてほしいもの
典侍などにしばらくならせてみてもいいと思うんだけど
宮仕えする女性を、軽い女性だとか口に出して言ったり、言わないまでも心の中で思っている男性がいるのが、全くもって憎らしくって
まあ、けどね。そういう女性もいるにはいるんで、仕方がない部分もあるわね
宮仕えをすることで女性は世間を広くするし、視野が広がると私は経験上そう確信してるの
何しろ上は、畏れ多くも天皇をはじめとして、公卿、四位、五位まで
それに、女房に関係のある人たちやずっと下々の人たちにも、全部会うんだもの
勉強になることばかりで
それこそ自分を磨く、チャンスに溢れているんじゃないかしら
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