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秋は夕暮れ
秋は夕暮れ。
夕日の差して山の端
いと近うなりたるに、
鳥の寝所へ行くとて、三つ四つ、
二つ三つなど飛び急ぐさへ
あはれなり。
まいて雁などの連ねたるが、
いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音など、
はた言ふべきにあらず。
秋は夕暮れが素敵
夕映えが、山の端っこのほうに
ぐっと近くなってるところに、
カラスが寝ぐらに帰ろうと、
三羽四羽、二羽三羽って、
急いで飛んでく様子なんて、
胸に迫って泣きたくなるくらい、
しみじみとした趣きあるし
ましてや雁よ、雁の群れ
列を作って連なって、
茜の空に小さく見える清らかさったらもう
すっかり日が暮れて、暗くなってくると、秋の夜長が楽しみになってくるわ
風の音、虫の声
サヤサヤサヤ、リーンリーン
言うまでもないけど、
静かな気持ちになって、
穏やかな時間が流れるの。
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