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私はいい気分でまどろみ始めていた。
ウトウトし始めた時にリビングから音が聞こえて、鳴海くんがシャワーから戻ったと気づいた。そしてドアの隙間から差し込んでいた光がぱっと消え、リビングのライトが消されたとわかった。
鳴海くんも寝るのね…
おやすみなさい…
私は壁側を向いて横向きで寝ていた。
もう少しで寝落ちしそう、そんなときだった。
―――カチャリ―――
私の部屋のドアが開く音がした。そのままドアがカチャッと閉まり、部屋の中に誰かが入った気配を感じた。それが誰なのかすぐにわかり、一瞬で目が醒めた。穏やかだった私の心臓がドックンドックンと大きく鼓動し始める。
だってこの家には、私と我聞と鳴海くんしかいない。しかも、リビングからは相変わらず我聞のイビキが聞こえている。
ということは、入って来たのは―――
鳴海くんっっ?
ど、どういうこと???
私は息を殺して身を固めた。
でも、待って
この部屋にはクローゼットがあった
もしかしたら鳴海くんは明日の着替えを取りにきたのかもしれない
ああ、そういうことか…
納得できたら鳴海くんが部屋をでて行くまで、態勢はそのままにしてようと思った。しかし、鳴海くんの行動は理解不能だった。
――ギシッ――
ベッドがきしむ音と同時に、背中の向こう側のベッドが沈んでいるような振動が伝わってきた。
鳴海くん…ウソ…だよね?
ベッドに入って来てる???
そのまま私の左隣に横たわると、肌掛けをシェアするようにゆっくりと動かしている。
ウソッ ウソッ ウソッ
どういうことぉぉ――?
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