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「手術は本日昼の1時からです。ご主人と息子さん
がお見えになります。あと紹介が遅れました。
息子さんの 翔君を担当する
『朝日 頼人(あさひ よりと)』私の助手です」
逢沢先生がそう言うとドアが開いて、青年が入ってきた。こんにちは 、と頭を下げる 。
いったい何才かしら?
この前は気付かなかったけど
よく見ると、とても若くみえる。
「あの、翔がお世話になってます」
「いやいやいい子ですよ! おととい一緒に餃子
作ったんです。LINE も交換しちゃいました」
優希はお礼を言った。
にっこりと笑う 笑顔が可愛い。
「あの子 、迷惑かけてないですか?
いやそれよりも勉強してます?
受験生なんだけど何もしなくて……」
自分のことしか考えてなかったけど 、昨日の翔を見て母親としての心が痛む。そんな私の気持ちを悟ったのか、頼人君が話し出す。
「翔くん、今はお母さんの心配で頭がいっぱいで
勉強どころじゃないですよ。よかったら、家庭
教師も引き受けますよ」
「本当に!?」
「頼人は 国公立の名門大 卒業です。高校受験
対策は万全かと。予算内ですので可能です」
そんなありがたい話 あるのか
私が感動に打ち震えていると、逢沢先生は厳しい顔でこう言った。
「 さあ母親と女性。両立は大変だと思いますが、
復讐するのですよね?厳しい戦いになりますよ」
女でいる 母親でいる
この2つを同時進行するなんて、 私にできるのだろうか。
その後、私は昼から3時間に及ぶ 表向きは 「心臓」の大手術を受けた。顔のレーザー治療から始まり、
シミ取り 、目の下のクマ取り、顔やお腹の脂肪吸引 、二の腕まで多岐に及んだ。
命がけの手術はもはや 『肉体改造』となってしまったが、とにかく無事に成功した。全身いじられたような気がするが自分では、何がどうなっているのか確認のしようもない。
むくみがあったり 、腫れがあったりでかなり痛々しい姿で病室に運ばれて1日が終わった。
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