美容外科 手術

2/2
1079人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
「手術は本日昼の1時からです。ご主人と息子さん   がお見えになります。あと紹介が遅れました。  息子さんの 翔君を担当する 『朝日 頼人(あさひ よりと)』私の助手です」 逢沢先生がそう言うとドアが開いて、青年が入ってきた。こんにちは 、と頭を下げる 。 いったい何才かしら? この前は気付かなかったけど よく見ると、とても若くみえる。 「あの、翔がお世話になってます」 「いやいやいい子ですよ! おととい一緒に餃子  作ったんです。LINE も交換しちゃいました」 優希はお礼を言った。 にっこりと笑う 笑顔が可愛い。 「あの子 、迷惑かけてないですか?  いやそれよりも勉強してます?  受験生なんだけど何もしなくて……」 自分のことしか考えてなかったけど 、昨日の翔を見て母親としての心が痛む。そんな私の気持ちを悟ったのか、頼人君が話し出す。 「翔くん、今はお母さんの心配で頭がいっぱいで  勉強どころじゃないですよ。よかったら、家庭    教師も引き受けますよ」 「本当に!?」 「頼人は 国公立の名門大 卒業です。高校受験  対策は万全かと。予算内ですので可能です」 そんなありがたい話 あるのか 私が感動に打ち震えていると、逢沢先生は厳しい顔でこう言った。 「 さあ母親と女性。両立は大変だと思いますが、  復讐するのですよね?厳しい戦いになりますよ」 女でいる 母親でいる この2つを同時進行するなんて、 私にできるのだろうか。 その後、私は昼から3時間に及ぶ 表向きは 「心臓」の大手術を受けた。顔のレーザー治療から始まり、 シミ取り 、目の下のクマ取り、顔やお腹の脂肪吸引 、二の腕まで多岐に及んだ。 命がけの手術はもはや 『肉体改造』となってしまったが、とにかく無事に成功した。全身いじられたような気がするが自分では、何がどうなっているのか確認のしようもない。 むくみがあったり 、腫れがあったりでかなり痛々しい姿で病室に運ばれて1日が終わった。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!