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私、並川優希、40才。何処にでもいる平凡な主婦。結婚式が人生で1番幸せだったかもしれない女。
しかし、結婚後、一人息子が生まれてからという
もの、家事と育児と仕事で毎日が死ぬほど忙しい日々を過ごしている。
職場で出会った2歳年上の夫の大介と、交際2年の末結婚した。
あの頃の私は仕事も多忙で、デートの時間も惜しいほどだった。
けれど大介は何かと連絡をくれて、私を誘ってくれた。付き合って一年目の記念日や、私の誕生日も
覚えていてお祝いしてくれたのに…
ああ、今日、私、誕生日だ!
ふと我に返り、カレンダーを見る。
自分の誕生日も忘れているなんて情けない。
でも、仕方ない。結婚したら独身の頃みたいに
時間なんてないのだから。
家事だって、子育てだって、全然自分の思い通り
に進まない。
アインシュタインってバカだわ
結婚したら、男も女も変わらなきゃいけないに
決まってるでしょ! 生活 かかってるんだから
段々腹がたってきた
男ってバカだ。あ〜むかつく
優希は仕事中だったのを思いだした。けれど、怒り
は収まらず、折りたたみイスを少し乱暴に並べてしまうのだった。
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