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玄関のドアが開く音がした。
「アイリス〜、お待たせぇ…って、どうしたの!? なんでそんなに泣いてるの!?」
嬉しいのと悲しいのと、切ない気持ちでいっぱいになって、私は戸惑うメリッサに抱きしめられながら泣いた。
その後、メリッサにフォルダの話をしたら、とても信じられないと興奮気味だった。
「まだまだ、私たちの知らない事が彼らの中では起きているのかもしれないね〜。それにしても…アイリス良かったね。スカイは…失くしたくなかったんだよ、二人の思い出を」
そう言われて私はまたうるうると瞳を濡らした。
そんな私を見てメリッサは言いにくそうに俯いた。
「ただ…修理会社の人が言うには、データは残っていても、スカイが起きることはないかもしれないって…。やっぱり限界が来てたから…」
深くため息をついて、ちらりと私を見た。
「新しいサポートタイプを勧められた…」
私は何も言わず、目を伏せた。
涙は枯れることを知らず、いつまでも溢れてくる。
メリッサは私が落ち着くまで側にいて抱きしめてくれた。私が失くしたものの大きさを彼女は誰よりも理解してくれた。
「泊まっていこうか?」とメリッサが言ってくれたけど、一人で気持ちの整理をつけたくて、お礼を言って断った。
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