第一章 私をすきにならないの⁉

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 ここでもう一度。わたしは、かわいい。美少女である。  このかわいさは、母さんゆずりだ。母さんは日本を代表するトップモデルだった。残念ながら、わたしが小学校二年生のときに亡くなってしまったんだけど……。  いつもきれいに笑ってて、わたしを抱きしめるときにふわっと香るやさしい香り。母さんのことは、ずっと心に残ってる。  大好きな母さんに影響されて、わたしも小さいときに、モデルをはじめたんだ。  みんな、「かわいい」ってほめてくれるし、人気だってある。  あまりにもわたしが美少女なせいで、目があっただけで、みんながわたしのことを好きになっちゃうくらいなんだよ。  だから、目を隠すために、ダサいメガネをかけているってわけ。 「なのに、どうして、三条ソウマは無反応なのよ……!」  思い出しただけで、イライラしてきた。超絶キュートなわたしを見て、なにも思わないって、そんなことある⁉ こんなのはじめて! くやしい!  っていうか、三条くん、なんの話してたんだっけ? 「おまじないがどうの、とか、言ってたっけなあ……」  クッキーをかじりながら、はなのんが不思議そうな顔をした。 「おまじない? 三条くん、そういうの好きなの? 意外だね、真面目そうなのに」 「だよねー。三条くんってロボットっぽい!」  でも、おまじないかぁ……。 「してないけどなあ。もう、まじ、意味わかんないっ! 癒して、はなのん~」 「きゃっ。もう、エナちゃんってば~」  ひしっと、はなのんに抱きつけば、はなのんは困ったように笑う。かわいい。  ……しっかし、三条くんてば、ほんとに、なにがしたかったんだろ?
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