第二章 メガネを外せば、あら不思議

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「ミサンガは校則で禁止されていますから、しているひとは、はずすようにー」  そう言って先生はわたしたちの顔を見まわす。わたしはなんとも思わなかったけど、中には、さっと目をそらす子もいた。  ミサンガっていうのは、刺繡糸を紡ぎ合わせたお守りのことだ。手首や足首につけて、自然に紐が切れたら、願いが叶うって願掛けアイテム。  うちの学校、アクセサリーは禁止だから、ミサンガももちろん禁止。でも足首につけて靴下で隠しちゃえばバレないってことで、つけている子は多かったみたいだね。  斜め前の席に座っているモデル仲間のはなのんも、困ったようにもじもじしていた。  それにしてもミサンガ……おまじない、おまじないといえば……、三条ソウマ!  わたしは、三条くんの席を見た。  ……って、姿勢いいな⁉ 背中に木の棒でも入ってんの?  ぴんと伸びた背筋に、わたしは思わず噴き出した。モデルは姿勢が大事だ。わたしもふだんから背筋を伸ばして、胸を張るようにしている。姿勢ひとつで、ひとの印象って変わるからね。その点、三条くんはばっちり。 (でもあのダサいメガネはなあ……)  もし顔もかっこよければ、写真映えしそうだけどさ。もったいない。
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