【第二章 五節 裁断鋏とまち針】

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* 「居ない......確かにここだったのに」  マオと一緒に金島カナヱと別れた場所に行くと、金島カナヱも男達も居なかった。地面に散らばったはずのまち針も、男から溢れたはずの血液も、何もかもが存在しない。  ただ、一枚の黒い布がまち針で木に貼り付けられている。布には黄色いチャコールペンシルでメッセージが書かれていた。 “明日の投票でまた会おうねー。美柑! 金島カナヱ”
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