[プロローグ]

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[プロローグ]

「ねぇ、成瀬さん!! 今どこに居るの!!」  私はスマホ越しに小さく叫んだ。早く、早く助けに来て。彼女に助けに来てもらわなければ自分の身が危ない。しかし、電話口からは至って呑気な声が聞こえる。 『今は私、事務所ですわ。今から午後のティータイムですの。今日はアッサムティーをミルクでいただきますわ』 「そんな悠長なことしてないで! 助けて!! 殺されそうなの!」  そう、私は今まさに殺し屋に狙われている。教室の廊下で顔の横にフォークとスプーンを投げられて、今やっとのことで中庭まで逃げてきた。でも、姿の見えない敵は遊ぶかのようにゆっくりと、しかし確実にこちらに近づいてきている。今までに投げられてきたのはナイフ以外のカトラリーだ。つまり、いつどこで鋭利なナイフがやってきてもおかしくはない。 『殺されそう? ふふ、だって私あなたに選択肢は提示しましたわ。では、頑張って生き延びてくださいまし』 「選択って、まさかーーあ!」
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