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プロローグ
「テオドア様!嘘……嘘と言って!!」
目の前でうなだれる美人を見て、なんてこの世は厳しいんだと俺は手にしていたカップを置く。
その傍らには可愛らしい人とこれぞ王道の王子様と言ったような2人がイチャイチャしていた。
だけど、そんな光景を見てもその美人を助けようとしないのは
「……覚えてろよ!お前よりいいやつを婿に貰ってやるんだから!んで、ハッピーライフを送ってやる!」
思ったよりも彼がいい性格をしているからか。(ただし、小声で。)
それとも、
「うわー、今日も修羅場じゃん。第二王子って浮気性?この前も違う人連れてなかったっけ?」
「あー。確かに。前は男爵家の子息を連れてたな。」
結構見られる光景だからか。
いろいろと入り乱れているここでは後者の方が強いかもしれない。
……でも、まあ。
とりあえず言えることは
「あの、ちょっと近いかもです。アルデリヒト様。」
「君が私のことを無視するからだね。仕方がないよ。」
「するわけないじゃないですかー。ハハハ。だって、オウジサマですよ?しかも第1王子。」
「そうだね。するわけないんだけどね?するわけがないはずなんだけど。でも目が合わないのはどうしてなんだろうね?」
「そんなやつがいるんですか。信じられないー。」
俺は俺で大ピンチだということだった。
急募、偉い人から逃げる方法。
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