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取り調べ
ルナを襲った5人は、当日から近衛兵による取り調べを受けていた。その中で一つだけ、妙な報告がテオの耳に届いた。
「団長、あの5人が使っていた麻痺毒は、大型の魔物用のものです。それも希釈していません。」
そもそも麻痺毒は人に向けて使うように販売されていない。だから悪用する場合は魔物用の麻痺毒を薄めて使うことになる。もし、希釈もせず使えば小型魔物用の麻痺毒ですら、人間には致死量となる。
「幸運にもうまく注射出来ていなかったと考えるべきかと」
「他の可能性は?」
「他……と言いますと……」
「麻痺毒に対する生まれながらの耐性、あるいは、人ではない可能性……」
「人ではない……!?」
もちろん注射ミスの可能性が消えたわけではない。だが、テオはルナとの立ち合いを経験している。ただの鍛冶屋の娘が剣術未経験であそこまで……。もちろんテオは全力を出したわけではなかったが、7〜8割程度の力でもテオの剣技が人間に受け流された経験は一度もなかった。
――あるいは全力だったとしても……
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